「います・あります」の練習をしたら、慣れるために活動をしましょう。簡単な人さがし、物さがしから、コアラはどの国にいる、ピラミッドはどこにある?など知識が必要なクイズまで活動は豊富です。ここではいくつか紹介します。
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文型 ~にあります・います 教え方
今回の文型は「~は~にある・いる」の文型(みんなの日本語L10A-4,5)です。 導入の手順を簡単にこちらに書きます。(教案ではありません。)
導入
みんなの日本語を使って教えている人は、初めに「~に~があります・います」を導入しているので、
そこから 「~は~にあります・います」に持っていく。
みんなの日本語L3でも同様のやり方をしていると思うので、簡単に入ると思います。
例1:場所や人物、物のイラストを準備。 又は練習B-3のイラストから導入
T: 部屋にかばんがあります。庭に車があります。
※ここでは簡単にするため、位置詞をいれず、部屋、庭などシンプルな場所にしておく。
じゃあ、たな、たなは・・・
S:棚は部屋にあります。
T:じゃ、女の子・・・女の子は…
S:女の子は 部屋にいます。
その後、位置詞を入れる。 例:棚は窓の前にあります。
例2(ちょっとレベル高め、実際の教室や人物を使って位置詞を入れて実施する。)
T:テーブルの上にノートがあります。(復習)
(探すふりをして)かばん、かばんは・・・?
S:かばんは いすの上にあります。
T:S1さんの後ろにS2さんがいます。(実際の学生で)
(探すふりをして)じゃあ、S3さん、S3さんは・・・?
S:S3さんは S1さんの右にいます。
その後、どこにありますか・いますかを導入、練習。
両方習うと助詞がごちゃごちゃになるので、二つを板書して違いをわからせること。
「場所に物・人があります・います」、「物・人は場所にあります・います」
様々な活動
ここでは様々な活動を紹介します。
インフォメーションギャップを使った活動
ここでは ホワイトボード(又は黒板)を使用したやり方を紹介します。
準備
- 物(机、棚、ノート、かばん、本など)、人物・動物のイラスト(2部)イラストの形に切り抜いておく
- ホワイトボードを使用する場合は イラストにマグネットをつける。
- イラストが全部入る大きい紙を用意
活動例
- AとBに学生を分けて、同じイラストを配布。
- まず、A(又はAチーム)が 大きい紙の上に配ったイラストを自由に配置させる。(動かないようにマスキングテープなどを使って軽く固定すると良い) その際、Bは見ないこと。
- B(又はBチーム)がホワイトボードの前に立ち、そのイラストの位置を「~はどこにありますか、いますか」で質問し、言われた位置に配置していく。
- その際、AもBもその工程を見ないこと。Aはホワイトボードを見ずに答える。
- 全部終わったら、AとBで答え合わせ。どのくらい位置があっているか確認する。
- その後、交替。今度はBが紙の上に配ったイラストを自由に配置し、Aが質問して正しい位置に物を置く。
ホワイトボードを使用しない場合は、BもA同様に大きい紙の上に物・人物が描かれたイラストを置く。
あまりイラストが多いと時間がかかってしまうので、10程度でいいと思います。人数が多ければ増やしてもいいです。机、棚など大きい物から、位置詞が使えるように、本、ボールペンなど細かい物も入れておいてください。
人物だけではなく猫や犬をいれると楽しめると思います。
このやり方のいい所は、固定された場所ではないため、色々なパターンで何回もできることです。
実際に絵を描かせるというやり方もありますが、絵の上手下手や描くのに時間がかかるなどのデメリットがあるので、イラストが得意という学習者以外はこちらのやり方の方がいいと思います。

この活動をグループクラスで実施した際、相手の常識を覆そうと、ベッドの上に棚がありますなど、あえて変な置き方をしたりして楽しんでいました。
活動集の使用 ※広告あり
日本語クラス活動集などによくインフォメーションギャップが掲載されているので、それをそのまま使用
し実施するというやり方もいいと思います。
日本語クラスの活動を集めた本「おたすけタスク」には「あります・います」の活動イラストがあります。
こちらはもう既にできあがっているので、コピーするだけで準備完了です。やり方は上記と同様です。
AとBがあり、それぞれない物、人、動物のイラストを描き入れるようになっています。
全部で6つあり、そんなに多くはないですが、少し練習するにはちょうどいい量かと思います。
世界のどこにいる?ある?クイズ
~は(世界の)どこにいますか、ありますかで学生同士QAさせる、または学生に答えてもらうクイズです。
知識が必要になるので、大人向けです。
準備
様々な国の有名なもの、動物などのイラストや写真を用意 例:パンダ、エッフェル塔など
簡単そうなものから難しそうなものまで準備。 学習者の国のものも入れると良い。
活動例
やり方は色々あると思いますが、ここではチームでのやり方を説明します。
- チームを2つに分ける。 (人数が多ければ3つ、4つのチームに分ける 1チーム3-5人ぐらいがいいと思います。また多国籍であれば、できるだけ同じ国に偏らないように分けましょう)
- 教師はイラストの紙をチームの数に分け、裏返しにしておき、チームにどちらの束がいいか選んでもらう。
- 選んでもらったら、チームごとに机の上に裏返しに置いておく。
- 教師の合図とともに、チームの一人が紙を一枚引く。
- 引いた人はイラストを見て、「(イラスト)はどこにいます・ありますか」を同じチームのメンバーに聞く。
- メンバーの一人はそれを聞いて、正しい文で答える。「~にいます・あります」
- 正しく答えられたら、次の人が紙を引き、また質問する。これを順番にやっていく。
- 間違えたり、答えられなかったりした場合、「パス」といって次の問題へ行く。
- 制限時間内にたくさん答えられたチームが勝ち。
制限時間はイラストの量にもよりますが、3-5分でいいと思います。
トラブルになりそうな問題(国際問題になっているものなど)は避けるようにしてください。
クイズのイラストを学生に追加してもらっても面白いと思います。
「います、あります」授業で使えそうなもの紹介。 ※広告あり
ここからは 文型 ~います・ありますで使用できそうなものを紹介します。※ここからは広告を含みます。
くもんの世界地図パズル
子供用の世界地図パズルです。各国の形に切り抜かれており、国をはめていくパズルです。
フランスはどこにありますか…ドイツの左にありますなど 文型を使いながらパズルを完成させていくことができます。 子供のクラスで文型を使いながら国を覚えることもできます。この世界地図パズルは 他にも各国の言葉や、気候、世界遺産すごろくなどもついているので、他の文型(~は~語で~ですなど)でも使えると思います。
人、物さがし定番絵本(ウォーリーをさがせ、ミッケ!)
どこにいますか、ありますかの文型でよく使われるのは探し物。
さがす絵本といえば、「ウォーリーをさがせ」と「ミッケ!」が定番だと思います。
ウォーリーをさがせは人探し、ミッケは物探しで楽しめるのではないでしょうか。
ただミッケのほうは未習語彙が多いため、使用する際は既習の物を選んだり、語彙を導入したり教師が調整する必要がありそうです。
「います・あります」は日常でたくさん使用するものの一つですが、「机の上に本があります」「本は机の上にあります」と語順が変わると助詞がかわること、また英語などでは語順が反対なので、学習者が混乱することが多いです。そのため、学習者が嫌にならないように、色々な活動をしながら自然と身につくように指導するといいと思います。
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